YAZOO「Upstairs at Eric’s」|週末音楽
YAZOOは1981年に結成された、シンセポップデュオ。メンバーは元デペッシュ・モードのヴィンス・クラークと、ボーカルのアリソン・モイエの2人だ。
本国イギリスでは、エレクトロミュージックの老舗レーベルのミュート・レコードと契約。1982年にファーストアルバム、「Upstairs at Eric’s」をリリースしている。
冒頭を飾る「Don’t go」は、エレクトロミュージックシーンに名を残す名曲だ。ヴィンス・クラークが作り出す無機質なシンセの音と、アリソン・モイエのソウルフルなボーカルの組み合わせ。今でこそスタンダードな手法となってはいるが、当時のエレクトロミュージックシーンでは、最先端であった。21歳とは思えないほど存在感のあるボーカルは、今聴いてもやはり圧倒されてしまう。
順調にチャートでも上位に食い込む状況だったが、セカンドアルバム「You and Me Both」を83年にリリースした直後、解散してしまう。わずか2年という活動期間であった。あるインタビューによると、解散の理由は、グループの方向性に関する2人の意見の食い違いだったという。
解散後もそれぞれ音楽活動を続け、ヴィンス・クラークは自身のユニットのほか、プロデューサー、作曲家として、アリソン・モイエはソロシンガーとして活動。2人とも、現在も精力的に活動を続けている。
YAZOO自体は、2008年から一時的に再結成していた時期があり、その際のライブ音源も出ている。興味があればぜひ聴いてみてほしい。
Astray Goods Life ライター。ノイズ系の楽曲制作が趣味。常に男メシを求めるグルメ。