Miles Davis「Kind of Blue」|週末音楽。
ジャズトランペット奏者のマイルス・デイヴィスが1959年に発表した、スタジオ・アルバム。60年代のモード・ジャズに多大な影響を及ぼした名盤だ。
キャノンボール・アダレイ、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、ジミー・コブ。厚く、熱い、ジャズの歴史に名を残す面々がレコーディングに参加した。
アルバム冒頭の「So What」のホーン、ピアノリフは、曲名もマイルスの名前すらも知らなくったって、どこかで耳にしたことがあるんじゃないかな。
1950年代後半あたりから、それまでの「コード」の概念を中心にした作曲に限界を感じたミュージシャンたちが、動き始めた。「モード」の概念を利用し、音楽表現そのものを拡張しようと試みたんだ。
その流れの中で、数え切れないくらいの悩みや迷い、そしてぶつかり合いがあったことだろう。
その結果生み出された一つの形が「Kind of Blue」。音楽理論的にも当時の最先端であった。それを抜きにしたって、ただただ、純粋に聴き入ってしまう。そんな音楽の美しさも持ち合わせた、素晴らしい一枚だ。
たまにはゆっくりと肩の力を抜いて、熱いコーヒーとマイルスで、仕事で疲れ切った身体をほぐしてみてはどうだろうか。
Astray Goods Life ライター。ノイズ系の楽曲制作が趣味。常に男メシを求めるグルメ。